といっても、ゴールドバーグではない。
ジャック・フィニィ「盗まれた街」読了。けっこう古典と言われている作品は、ミステリーにせよSFにせよ、未読の作品が多いのだが、本作もまさにそれ。ドン・シーゲル唯一のSF映画にして大傑作の映画版「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」の印象が強すぎて、原作には手を出していなかったのだが、この連休に意を決して読み始め、これが面白くて止まらない。「親しい家族や友人がいつのまにか別人にかわってしまったかもしれない」という発端の謎から、ぐいぐいサスペンスを盛り上げていく。主人公たちはせまりくる恐怖に慄きながらも、つねに行動によって事態に立ち向かっていく姿がここちいい。バツイチ同士の淡いロマンスや、随所に味付けされたユーモアや伏線処理など見所も多くてあきさせない。そしてもちろん、当時の(あるいは現代にも共通の)社会問題の影も読み取ることが出来る。映画としては最近のも含め都合4度もリメイクしているというのも、むべなるかな。やっぱり昔の作家の技量裁量力量には圧倒させられますなあ。
