その日暮らしの記
ぼやき日記

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ミスミソウ 完全版

 長らく絶版になっていた「『黒』押切」の代表作が、完全版として待望の復刊。マケプレなどで集めなおそうかと思っていたところだったので、速攻で購入。
 家族思い・妹思いの優しい少女が、閉鎖的な田舎町に引っ越してきてから、クラスメイト達から容赦のない酷いいじめを受けるようになる。彼らの行為は徐々にエスカレートし、ついには超えてないけない一線を越え、少女は天涯孤独の身に。それでも感情を押し殺し、じっと耐え続けていた彼女だったが、やがて静かに、そして突如として、己の狂気を爆発させ……というストーリー。
 いやはや、噂以上のなんともすごい。まずはなんといっても、その独特のタッチと「絵」のインパクトの高さに圧倒されてしまう。少女がついに武器を手に取る見開き画面の美しさ。ところどころに挿入される、容赦ないスプラッタ描写と登場人物たちの狂気の表情。まさしく「漫画」でなければ表現しえないものばかりだ。
 そしてストレートな復讐譚と思わせて、下巻において意外な登場人物の意外な正体が判明し、善悪が入り乱れる予想外の展開。ここらへんは、まったく予備知識をいれていなかったので、思わずうなった。小道具や何気ない描写が、効果的な伏線となってこの巻で結実するさまは、まさしく「フィクション」の醍醐味だろう。
 さらに加えるなら、あくまで「物語」が子供の世界の中で発生して、かつその中で完結するあたりも、個人的には好み(大人はホントに無能で役立たずばかりである)。この確固たる世界観とゆるぎない視点の調和のおかげで、悲しく残酷な結末を迎えながらも、なんとも爽やかな読後感を感じずにはいられない。ただ皆を不幸にさせる、皆を嫌な気分にさせる、昨今のホラーとは、完全に一線を画している。
 しばらくはこの余韻に浸っていたい気分。期待以上の素晴らしさでした。傑作。



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ジャンゴ 繋がれざる者

 やっと仕事も落ち着き、温泉行ったり古本屋めぐりをする余裕も出てきた今日この頃。映画の方もたまったDVDだけでなく、ちゃんと映画館でみたいなと欲求が高まってきたところに、今住んでいるところの近くに映画館ができたとの知らせが。そこの会員になって割引券を使って、さっそく観に行きましたのことよ。
 「イングロリアス・バスターズ」に続く、タランティーノによる「歴史改変」復讐ムービー。前回はユダヤ人だったが、今回は黒人が主人公。あるお尋ね者の顔を知る者として、ひょんなことからドイツ人賞金稼ぎに拾われた主人公。銃の腕前と度胸だけでなく、実は別の奴隷商人に売られていった妻を必ず取り戻すという、強い「意志」を彼から感じ取った賞金稼ぎは、計らずも協力を申し出ることになる。そしてその奴隷商人が、黒人同士の闘い(殺し合い)の興業を道楽としている男であることを知って、一芝居打つことにするのだが……というストーリー。冒頭から繰り返される独特のユーモアと掛け合い(C・ヴァルツ最高!)、さらに容赦ない息をつかせぬバイオレンス描写、マカロニ・ウエスタンはもちろん、ブラック・ムービーやその他のエクスプロイテーション映画(Bムービー)における大小のネタを、縦横無尽に織り交ぜながら、3時間近くを少しも飽きさせることなく、大いに楽しませてくれた。
 近年のタランティーノ映画としては、ストーリーや展開などもオーソドックスでわかりやすい反面、悪役(ディカプリオやS・L・ジャクソン)の描き方(退場のさせ方)や、受け身に回わってばかりの妻(K・ワシントン)の弱さ(P・グリアや前作のM・ロランの大活躍ぶりを見ているのでなおさら)などが気になるところではあったけれども、タランティーノはだれにもまねすることのできない、唯一無比の最強の映画作家であることを、さらに印象付けた素晴らしい作品だった。しみじみ。

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