その日暮らしの記
ぼやき日記

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

増大派に告ぐ

 を読む。時はベルリンの壁が崩壊した直後の頃。マンモス団地の傍の公園に、一人のホームレスがやってくる。彼はずっと精神を病んでいて、『増大派』と呼ばれるある思想集団から世界を守るべくこの地に戻ってきたのだという妄想に囚われていた。一方、その団地に住む中学生の少年は、崩壊した家庭環境に幻滅し、また学校にも己の生きている世界にも希望を抱くことができず、悶々とした毎日をおくっていた。少年はある朝、偶然そのホームレスと出会うことになってから、徐々にその男と深いかかわりを持つようになるのだが……と言うストーリー。第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作で、なんとも重厚で圧巻な作品。妄想と現実の狭間でゆれる二人の男(というか少年)たちの、甘美で危険な遭遇と、破滅的で残酷な決別を描いている。ところどころに仕掛けられた伏線が、次の場面で巧みに回収されるとともに、彼らの心情や行動へのさらなる掘り下げはもちろんのこと、ぐいぐいとその後の展開(ああもう破綻することはわかっているというのに)への期待を高めていくので、途中でやめることが出来ずに一気に読み干してしまった。著者が同年代ということもあり、また自分がかつては『彼』のような少年であり、『彼』のような大人になってしまっている、という点もこの作品を楽しめた理由なのかもしれない。それにしても、余談だが、大友克洋の「童夢」がまた読みたくなったなあ。


増大派に告ぐ増大派に告ぐ
(2009/11/20)
小田 雅久仁

商品詳細を見る
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

プロフィール

geshicchi

Author:geshicchi
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。