その日暮らしの記
ぼやき日記

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朝の8時半に

 地元のセンターを出たはずの荷物がよるになって届くというのはどういうことなんでしょうか。
 シェリイ・スミス「午後の死」を読む。イギリスからインドへ向かう軽飛行機が、事故のためイラン台地のあたりに不時着をする。唯一の乗客であるイギリス人の青年が、涼を求めて近くの屋敷を訪れたところ、家主は同じイギリス人の初老の女性であった。なぜこんな辺鄙な場所に女性が一人で住んでいるのか。疑問に思った彼は、飛行機の修理が終わるまで彼女の身の上話を聞くことになるのだが……というストーリー。美しくもなく世間知らずな金持ちの娘、その彼女が心酔している父親、その父親と再婚した若くていわくありげな美女、その女のいとこと名乗る胡散臭い美青年……当然起こるべくして起こった悲劇の顛末が淡々と老嬢の口から語られていく。いつの時代でも過去の風習や生き方を蔑視し、理知的で新しい価値観を尊ぶ青年とのやりとりが、絶妙なアクセントとなって彼女の話す物語のテンポを良くしていっているに加え、またそれらに含まれたさりげない伏線が、ラストにいたって見事に昇華される展開は見事。意外とブラック気味なユーモアや、原題("An Afternoon To Kill")にも含まれた洒落たお遊びも悪くない。小品だけど忘れがたき一品。オススメ。
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コメント

『午後の死』、ミステリマガジンに分載されたものを読んだのですが、これはいい作品でしたね。シェリイ・スミスは『逃げる男のバラード』も面白かった覚えがあります。もっと翻訳紹介されていい作家だと思うんですが。
【2007/06/10 07:35】 URL | kazuou #-[ 編集]
コメントありがとうございます。瀬戸川猛資氏の「ミステリ絶対名作201」で紹介されて以来、ずっと読みたかった作品で期待以上の面白さに大満足でした。「逃げる男のバラード」も今度探してみます。
ちょっと調べてみたらこの作家で邦訳出版されているのは、本書と「逃げる男のバラード 」だけのようですね。ホントにもったいないなあ。
【2007/06/10 22:17】 URL | げし #ItxbjV56[ 編集]

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